皮膚付属器官の構造 まとめ

💡 試験対策ポイント

📚 皮膚付属器官とは

毛、爪、汗腺、脂腺などを皮膚付属器官といいます。

📚 毛について

毛は、ケラチンという硫黄を含むタンパク質の一種からできています。

通常、毛は皮膚表面から斜めに生えていて、その方向を毛流といいます。毛流は皮膚の割線方向とほぼ一致しています。

毛の成長サイクルには成長期(毛が伸びる期間)、退行期(成長が止まり縮小する期間)、休止期(毛が自然に抜け落ちて次の毛の準備をする期間)の3つの段階があり、このサイクルを毛周期(ヘアサイクル)といいます。

📚 毛の構造

◆ 毛幹
毛の皮膚表面に出ている部分

◆ 毛根
毛の皮膚の内部にある部分

◆ 毛球
毛根の奥のフラスコ状に膨らんだ部分

◆ 毛包
毛根を包んでいる組織

◆ 毛孔
毛穴のこと

◆ 毛乳頭
毛球の中の球状のくぼみ。ここには血管や神経があり、毛髪の成長を促進する上で重要な役割を担っています。

◆ 毛母
毛球の毛乳頭に接する部分を毛母といいます。ここには、毛母細胞と色素細胞があり、メラニン色素を含んだ毛の細胞を作っています。

立毛筋
毛包の一部がやや隆起した部分(毛隆起)に付着している平滑筋の一種で、寒さや恐怖、驚きなどの刺激によって自律神経のはたらきで収縮し、毛を立たせる筋肉です。
立毛筋は、眉毛やまつ毛には存在しません。

毛の断面

◆ 毛小皮
毛の最も外側を覆っている、ウロコ状に角化した透明な層のことです。キューティクルとも言います。

毛皮質
毛髪の断面で見た場合、毛小皮(キューティクル)の下に位置し、毛髄質を囲むように存在します。毛皮質の細胞には褐色のメラニンが含まれています。

◆ 毛髄質
髪の毛の中心部分。細い髪や新生児の髪にはほとんどない場合もあります。

📚 爪について

爪は、指先の皮膚が角質化して硬くなった板状の「ケラチン」というタンパク質でできています。

爪の主な構造

◆ 爪甲(そうこう)
私たちが一般的に爪と呼ぶ硬い板状の部分です。

◆ 爪母(そうぼ)
爪甲の根元にあり、新しい爪が作られる部分です。

◆ 爪床(そうしょう)
爪甲の裏側で爪甲に密着している皮膚で、爪が滑るように伸びていく土台となります。

📚 汗腺について

汗腺(かんせん)とは、皮膚から汗を分泌する腺のことです。ヒトの汗腺には、全身にほぼ分布し体温調節の役割を持つ「エクリン腺」と、わきの下や陰部など限られた場所に存在し、体臭の原因となる分泌物を含む「アポクリン腺」の2種類があります。
エクリン腺は生まれた時から全身にあるのに対して、アポクリン腺は思春期に発達してきます。

◆ エクリン腺
99%が水分で、サラサラとしていて無味無臭の汗を出します。主に体温調節が役割です。

◆ アポクリン腺
思春期以降にホルモンの影響を受けて活性化する汗腺で、脇の下や乳首、陰部など特定の部位に存在し、脂肪やタンパク質を多く含むネバネバした汗を分泌します。この汗自体に匂いはありませんが、皮膚の常在菌がそれを分解することで、ワキガなど特有の強い匂いが発生します。

📚 脂腺について

脂腺とは、皮脂を分泌する腺のことで、毛包に開口するものと、毛と無関係で独立して存在している独立脂腺があります。

手掌や足底には存在せず、頭皮、顔(額、鼻、あごの「Tゾーン」)、胸、背中、わきの下、耳の周辺に多く分布しています。

📝 練習問題

2025/春
問題 皮膚付属器官の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 毛の生える方向を毛流といい、皮膚の割線と直角の方向に一致している。
(2) 毛は、皮膚の表面から出ている部分を毛幹、皮膚の内部にある部分を毛根という。
(3) 毛は、成長期、退行期、休止期を繰り返す。
(4) 立毛筋は平滑筋で、自律神経に支配されている。
→ 正解 (1)
2024/秋
問題 毛の構造に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 皮膚表面に出ている毛の部分を毛根という。
(2) 毛の3つの層のうち、中心部を毛小皮という。
(3) 毛皮質の細胞には、褐色のメラニンが含まれる。
(4) 毛髄質は、ウロコのように角化した透明な核のない細胞からなる。
→ 正解 (3)
2024/春
問題 皮膚付属器官の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 毛母には、色素細胞が多数存在する。
(2) 立毛筋は、すべての毛包についているとは限らない。
(3) 手掌や足底には、独立脂腺が分布している。
(4) エクリン腺は、生まれたときから全身のほとんどの皮膚に分布している。
→ 正解 (3)
2023/秋
問題 皮膚付属器官の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 睫毛(まつ毛)、耳毛、鼻毛以外の毛は、皮膚表面から垂直に生えている。
(2) 毛母の部分には色素細胞が多数存在し、毛に色素を与えている。
(3) 立毛筋は、毛包の一部がやや隆起した部分(毛隆起)に付着している。
(4) 毛は、ケラチンという硫黄を含むタンパク質の一種からなる。
→ 正解 (1)
2023/春
問題 皮膚付属器官に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)毛根の下端のフラスコ状に膨らんだ部分を毛幹という。
(2)脂腺は、手掌や足底に最も多く分布する。
(3)汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺がある。
(4)爪の主な成分は、エラスチンである。
→ 正解 (3)

出典:公益財団法人 理容師美容師試験研修センター