病原微生物 まとめ
📚 病原微生物とは
病原微生物とは、健康な人に感染症を引き起こす可能性のある微生物のことです。これには、ウイルス、細菌、真菌、原虫などが含まれます。これらの微生物は、毒素を産生したり、宿主の細胞に侵入・増殖することで、発熱や炎症などの症状を引き起こします。
📚 大きさ
病原微生物の大きさは、一番大きい原虫でも一般的に1~20μm程度なので、顕微鏡でようやく確認できるほどの小ささです。
大きい方から順に
原虫>真菌>細菌>リケッチア(細菌の一種)>クラミジア(細菌の一種)>ウイルス
📚 細菌の特徴
◆ 構造の特徴
- 細菌は、その形(球形、四角形、円筒形など)により、球菌、桿菌、らせん菌に大別されます。
- 細菌は、デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)の両方を持っています。
- 細菌の成分の80%は水分、10%はタンパク質です。その他、糖質、脂質、DNA、RNAです。
- 個体の周囲に鞭毛を持ち、これを動かして運動するものがあります。
- 酸素があると発育できないものがあります。
- 芽胞をつくるものがあります。(炭疽菌や破傷風菌など)
※ 酸素があると発育できないものを「偏性嫌気性菌」といいます。代表的な例としては、破傷風菌、ボツリヌス菌、バクテロイデス属菌、ビフィズス菌などが挙げられます。
※ 細菌の成分であるタンパク質は、加熱により凝固しますが、芽胞は熱や乾燥に強いです。
◆ 発育・増殖の特徴
- 栄養を分解・吸収して増殖します。十分な水分を必要とします。
- 多くの細菌の発育に最適なpHは、中性〜弱アルカリ性です。
- 2分裂によって増殖します。ウイルスとは違い、生きた細胞内でなくても増殖します。
- 紫外線は、ウイルスや細菌の増殖を抑制します。
📚 常在菌
常在菌とは、人間の体内に普段から存在している微生物(主に細菌)のことです。これらの菌は、皮膚、腸内、口腔内など、体の様々な部位に生息しており、健康維持に重要な役割を果たしています。
常在菌は、大きく分けて「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つに分類されます。
善玉菌:
免疫力を高めたり、消化を助けたりする働きがあります。
悪玉菌:
病原性を持ち、増えすぎると体調を崩す原因になります。
日和見菌:
普段は大人しくしていますが、体の免疫力が低下すると悪玉菌のように働き、病気を引き起こすことがあります。
📚 ウイルスの特徴
◆ 構造の特徴
- ウイルスの基本構造は、核酸とそれを保護するタンパク質の殻(カプシド)から成ります。
- ウイルスは、DNAとRNAのどちらか片方の核酸しか持っていない。
- ウイルスに鞭毛はない。
◆ 発育・増殖の特徴
- 生きた細胞の中でしか発育・増殖できない。
- ウイルスは、分裂せずに生きた細胞の機能や構造に依存して増殖します。
- 生活環境に適応し、よく(抗原)変異を起こします。
ウイルスは変異によって、弱毒化や強毒化をします。
ウイルスには、ワクチン製造に用いられるウイルスがあります。
📚 耐性獲得
生物や細胞が、元々は効果のあった薬剤や療法に対して抵抗力を持ち、効果が薄れたり、全く効かなくなったりする状態になることを、耐性を獲得したといいます。
📝 練習問題
2025/春
問題 次の細菌のうち、酸素があると発育できないものはどれか。
(1)百日せき菌
(2)結核菌
(3)破傷風菌
(4)大腸菌
→ 正解 (3)
2024/秋
問題 微生物に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 細菌の成分の80%は、タンパク質である。
b 細菌の増殖は、菌体の2分裂によって行われる。
c ウイルスは、DNA と RNA のいずれか1種類の核酸を持っている。
d ウイルスの基本構造は、核酸とそれを保護する莢膜(きょうまく)である。
→ 正解 bとc
2023/秋
問題 細菌とウイルスに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 細菌は生きた細胞の中だけで発育するため、環境中に存在することはない。
b 本来は病原性の強くない常在細菌によっても、宿主の抵抗力低下により発病することがある。
c 細菌やウイルスが薬剤に対して抵抗性を持つようになることを、耐性を獲得したという。
d ウイルスは変異によって弱毒となるが、強毒となることはない。
→ 正解 (4)